『地面師たち』をもう一度。2周目だから見えたこと、そしてやっぱり気になるウイスキー

Netflixの『地面師たち』を、また観ている。

これで2周目。

2年前、初めて観たときはかなり衝撃で、ドハマリしたのを覚えている。

このドラマを観てハマった人たちとは、少し観点が違うかもしれないけど、また観たいと思わせてくれるドラマです。

2年経った今、また観たくなる理由はノンフィクションだからなのか?

結末も知っている。

誰が騙して、誰が騙されるのかも知っている。

誰がどうなってしまうのかも知っている。

サスペンスなんて結末を知ってしまったら、2回目はそれほど面白くないんじゃないか。

そう思っていたけれど。

いや、やっぱり面白い。

むしろ2回目の方が、違う意味で怖い。

目次

結末を知っているから、ハリソン山中がもっと怖い

1回目に観たときも強烈だった、ハリソン山中。

2回目はさらに怖い。

大声で怒鳴るわけでもない。

感情をあらわにするわけでもない。

いつも静かで、淡々としている。

なのに、この人が画面に出てくるだけで何となく緊張する。

結末を知っている2周目では、何気ない表情や言葉まで、

「このとき、もうそこまで考えてたんかな」

「もしかして最初から……?」

なんて考えてしまう。

1回目は先が知りたくて、とにかくストーリーを追っていた。

でも2回目は、その人が何を考えているのかを見る余裕がある。

だから余計に怖い。

ハリソンにとって地面師という犯罪は、お金を稼ぐためだけのものじゃないんじゃないか。

人を騙し、追い詰め、その先に起きることまで含めて楽しんでいるように見えてしまう。

そこが、やっぱりこの人の一番恐ろしいところだと思う。

「最強のチーム」なのに、誰も信じていない

そして2回目に改めて面白いと思ったのが、地面師グループの関係。

それぞれの仕事だけを見れば、とんでもなく優秀。部下にほしい(笑)

情報を集める人。

なりすまし役を手配する人。

法律に詳しい人。

相手と交渉する人。

一つの大きな仕事を成功させるために、それぞれが自分の役割を完璧にこなしていく。

仕事のチームとして見たら、ものすごく強い。プロ集団ですよね。

なのに。

誰も、本当の意味では誰も信じていない。

つながっているのは信頼じゃなくて、お金や欲や秘密。

1回目は「この詐欺、成功するん?」とハラハラしながら観ていたけれど、結末を知っている2回目は、その関係が少しずつ崩れていく予兆みたいなものが見えてくる。

これも2周目の面白さだった。

拓海は、最初から少し違って見える

そして綾野剛さん演じる辻本拓海。(個人的に綾野剛さんのファンです)

1回目と2回目で、一番印象が変わったのはこの人かもしれない。

初めて観たときは、

「この人、自分の意思でやってるんか?」

「どこまで行くんやろ?」

という目で観ていた。

でも、彼の過去を知ってから最初に戻ると、表情の見え方が違う。

同じ犯罪をしているのに、ハリソンとはまったく違う。

どこかにずっと迷いがあるように見える。

もちろん、結末を知っている私が勝手にそう感じているだけなのかもしれない。

でもそれも、2周目ならでは。

知っているからこそ気づくことがある。

同じドラマなのに、1回目とは少し違う作品を観ているような気がする。

……と真面目に観ていたはずなのに

ここから話が変わります。

ハリソン山中がウイスキーを飲むシーン。

「うわっ!?」

画面を止める。

ボトルを見る。

スマホを取り出す。

写真を撮る。

……私、何してるんやろ(笑)

実はこれ、今回だけじゃないんですよね。

2年前の写真を探してみたら、出てくる出てくる。

2年前の私も、ウイスキーばっかり撮っていた

マッカラン。

ローズバンク。

ポートエレン。

ブラックボウモア。

2年前に初めて観たときも、

「ちょっと待って。今映ったの何?」

と、何度も巻き戻して写真を撮った。

そして当時調べて知ったのが、『地面師たち』のウイスキーへのとんでもないこだわり。

大根仁監督によると、ハリソン山中の部屋に置かれたヴィンテージウイスキーはすべて本物。

しかも棚ひとつで、

総額約4,000万円。

2年経って改めて聞いても、やっぱりエグイ。

私の(まだローンが20年以上残ってる)マンションより高いやん(笑)

ドラマの背景に映るウイスキーに4,000万円。

しかもよく見ると、一本一本がとんでもない。

ブラックボウモア1964なんて、ウイスキー好きなら画面を止めたくなる気持ち、わかってくれますよね?

そして2年後。また同じことをしている

今回の2周目。

また止めた。

BOWMORE 1965。

古びたラベルが画面に映った瞬間、

「このボウモア、普通に飲んでるけどものすごいヴィンテージやんっ」

となる。

あぁ、グラスはもちろんバカラよね。

さらに別のシーンでは、

THE GLENLIVET 20 YEARS OLD。

また写真を撮る。

2年前とやってることが全然変わってない。

結末を知っているからこそ、人物の表情や伏線をじっくり観られるのが2周目の魅力……

なんて書いておきながら、

単にウイスキーを見る余裕も増えただけなのかもしれない。

でも、4000万円のウイスキーにも意味がある気がする

ただ、2周目を観ていると、これだけ本物のヴィンテージウイスキーを用意した理由も少し分かる気がする。

ハリソン山中は、自分のことを多く語らない。

「私は金を持っている」

「私は普通の人間とは違う」

そんなことをわざわざ言わない。

でも、部屋を見る。

服を見る。

そしてグラスの横に置かれた酒を見る。

それだけで、この人がどういう世界にいる人間なのかが伝わってくる。

背景に並んだ総額4,000万円のヴィンテージウイスキーも、単なる豪華な小道具ではなく、

ハリソン山中という人物をつくっているものの一つなんだろうな。

そう思って観ると、ウイスキーのシーンまでちょっと怖くなる。

……私は銘柄の方が気になるけど(笑)

2年経っても人気が落ちない理由が、少し分かった気がする

2年経った今でも話題のNetflixドラマとして評価が高い。

今回もう一度観て、その理由が少し分かった気がする。

犯人も結末も分かっているのに、もう一度観ても面白い。

ストーリーだけじゃなく、人物の表情、言葉、部屋、服、そしてウイスキー。

一度目には見えていなかったものが、二度目には見えてくる。

だから、また観たくなる。

そして私の場合は2年経っても、

ハリソンがグラスを持つたびに、

「今日は何飲んでるん?」

と画面を止める。

そこも変わっていなかった。

美味しいお酒と、恐ろしい人間たち。

やっぱり『地面師たち』は面白い。

そしてもしこれから2周目を観る人がいたら。

今度はぜひ、ハリソンの後ろに並んでいるボトルもちょっと見てみてほしい。

ストーリーとはまったく違うところでテンションが上がってしまう人が、きっといるはず。

少なくとも、ここに一人いますよ。


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